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サッカーの正しい基本とは?檜垣裕志さんの利き足のポイントを考察

「サッカーは派手な技よりも基本技術が大切」とよく言われます。

基本技術は、全てのプレーの土台となる部分で、基本がしっかりしていれば、その上に多くのものを積み重ねられます。反対に、基本を疎かにして上辺だけの技術を練習しても、試合で使える技術は身につきません。

では、「サッカーの基本」とは何でしょうか?

多くの人は「トラップ、キック、ドリブル」と言うでしょう。これらは基本技術と呼ばれています。そして、基本技術を身につけるためによく行われるのが、いわゆる「基本練習」と呼ばれる練習です。

例えば、こんな練習ですね。

しかし、こういった練習をただこなすだけでは、上手くなることはできません。大事なのは、「正しい基本」を理解し、意識して練習することです。(「上手くなる」とは、「試合で使える技術を身につける」ということです)

「サッカーは基本が大事」と言われますが、「サッカーの基本とは何か?」について触れられることはほとんどありません。

実は、ここが一番大切で、ここを正しく理解していないと、これから練習する全てのことが間違った方向へ行ってしまいます。

というわけで、今回は「サッカーの正しい基本」について考えてみたいと思ます。

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ブラジルでプロになった出遅れプレーヤーが考えるサッカーの基本とは?

檜垣裕志(ひがき ゆうし)という方をご存知でしょうか?

ブラジル1部リーグで日本人で2番目にプロとしてプレーした方です。(1番目は三浦知良選手)

今は海外でプロになることは珍しくないので、「へーそうなんだ」くらいに思われたかもしれません。しかし、檜垣さんには、他の人の事例と全く違う点があります。それは、サッカーを始めた年齢です。

檜垣さんがサッカーを始めたのは17歳でした。そして23歳の時に、ブラジルの名門ポルトゲーザとプロ契約を結んだのです。サッカー歴わずか6年です。「出遅れプレーヤーの星」とも言える経歴ですね。

檜垣さん曰く、プロになれた最大の理由は「正しい基本を身につけたこと」だそうです。檜垣さんの言う「正しい基本」とは、どんなものでしょうか?それを見ていきましょう。

ボールを自分のものにする、ボールを奪われない

檜垣さんの考えるサッカーの基本とは、ボールを自分のものにすること、ボールを奪われないことです。
この考え方が根底にあり、そのための手段としてトラップ、キック、ドリブルといった技術があるのです。

檜垣さんは、高校卒業後、初心者同然でブラジルに渡りました。ブラジル留学は、斡旋業者を使って行ったので、ブラジルの名門チームであるポルトゲーザの練習に参加することができました。ところが、現実は甘くなかったようです。

まだ初心者だったので、まったくリフティングもできませんでした。
そんなレベルでポルトゲーザの練習に参加したのですが、紅白戦でも一度ボールを奪われたら、もうどんなに良いポジションにいても目が合ってもパスを出してもらえない。
本当の苛めというのは、こういうことなのかと思いましたよ。
(中略)
ストリートで遊びから始めるブラジルの子供たちは、まずボールを奪われない方法を身につける。つまり、それが本当のサッカーの基本。
絶対にボールを奪われない選手なら、世界中どこへ行ってもプロになれますからね。

「フットボール批評issue22」より

当時のポルトゲーザユースは、かなり優秀な選手がそろっており、ブラジルでも1、2を争うチームだったそうです。厳しい環境ですが、トップレベルのプレーを目の前で感じられるというメリットもありました。そんな中で、檜垣さんが気付いたのが、「利き足のポイント」でした。

檜垣裕志さんの気付いた利き足のポイントとは?

利き足のポイントとは、常に利き足の前にボールを置き、利き足で何でもできるように、利き足の技術を高めるというものです。

ブラジルへ行ってみて、右も左も使えるようにという日本の指導に疑問を覚え始めたんです。
同年代にはゼ・ロベルトやジネイなどの選手たちがいたし、ユース時代にはデネルというロナウジーニョやロビーニョが憧れた選手もいましたが、いずれも利き足しか使わない。

右利きのジネイやデネルは、左からのクロスの練習があっても、必ず右に持ち替えてから蹴る。それでも遅いと怒られることはなかった。
相手が右から来ても左から来ても、キープするのは右足。それはシャビやイニエスタも同じです。
(中略)
それからは利き足を意識して、技術の精度を高める練習に取り組みました。自分でも変われたと手応えを覚えた時にプロのテストに合格しました。

「フットボール批評issue22」より

檜垣さん曰く、メッシ選手やイニエスタ選手、ネイマール選手など世界のトッププレーヤーは、必ず利き足中心でプレーしているそうです。

シャビ、メッシ、イニエスタなど…。彼らのプレーを注意して観ていると、必ず利き足の前にボールを置いてディフェンスと対峙しています。
ここにボールを置くと、ボールを失わずに自分のタイミングで前後左右360度に方向転換ができる。
小さい頃から常に利き足でボールを扱うクセがあるので、それが自然とできているわけです。

「ジュニアサッカーを応援しよう!」より

確かに、彼らのプレーを観察すると、足、もも、胸、どこでトラップしようが、ファーストタッチで利き足の前にボールを置いていることが分かります。
使い慣れた利き足の前にボールがあり、利き足の技術が高ければ、相手のプレッシャーがあっても落ち着いてプレーできるからです。

サッカーは状況判断が重要だと言われますが、そもそも焦りながらボールを持っていたら状況判断なんてできません。余裕を持ってボールを持てる技術があるからこそ的確な状況判断ができるのです。つまり、利き足のポイントは、全てのプレーの基本と言えるのです。

目標が明確で時間が限られているからこそ上達する

社会人プレーヤーは、学生のように練習時間がたくさんあるわけではありません。

練習時間は上達に必要な要素の一つですが、やみくもに時間をかけても、上達するためのポイントが分かっていなければ、本当にサッカーの上手いプレーヤーにはなれません。

そもそも「サッカーが上達する」とはどうなることでしょうか?ここが明確でなければ、どんな練習をして、どんな技術を身につければいいのか分からないでしょう。

サッカーが上達するとは、試合で活きる技術を身につけることです。試合で活きる技術とは、ワンタッチでボールを自分のものにでき、ボールを失わない技術です。

ボールを自分のものにする練習法として、檜垣さんは、利き足のみのリフティングやテニスボールでのリフティングを推奨しています。ただし、表面上だけ真似してテニスボールリフティングを行っても、リフティングのためのリフティング練習になるだけなので時間の無駄です。

ワンタッチでボールを自分のものにするには、ただ何となくボールを触っているだけでは上達しません。ボールと向き合い、1タッチ1タッチ何を考え、どんな意識でボールに触っているかが重要だと檜垣さんは言います。サッカーが上手くなるためのリフティングには、練習のポイントをしっかり意識して行うことが重要なのです。

檜垣さんは、「ブラジルでプロになる」という目標がありました。プロになるには、試合で活きる高い技術力が必要です。年齢や滞在費用のことを考えれば、悠長なことを言っていられません。一日も早くプロになる必要があったのです。

そんな限られた時間の中でプロになるにはどうしたらいいか考え、トップ選手を観察して気づいたのが利き足のポイントでした。そして、利き足のポイントを最重要課題として懸命に練習した結果、17歳からサッカーを始め、サッカー歴6年しかない人間が、ブラジルの名門ポルトゲーザとプロ契約するという、驚くべきスピードの上達を遂げたのです。

本当に両足を使うことがいいことなのか?

日本では、両足を同じように使えることがいいとされています。

例えば、一般的なサッカーの教本にはドリブルの基本について「相手から遠い足でボールを扱う」と書かれています。つまり、左から相手が来たら右足で、右から相手が来たら左足でドリブルするということです。

ところが、メッシ選手は相手が左側から来ても、左足でドリブルしています。これはどういうことでしょうか?

実は、利き足だけでドリブルした方が、体の軸が安定し、当たりに強くなるのです。一方、両足ドリブルでは軸足がその都度変わり、体の軸が安定しません。これは、実際に利き足ドリブルと両足ドリブルをやって比べてみると分かると思います。

「サッカーが上手くなりたければ、上手い人の真似をしろ」と言います。それならば、メッシ選手の真似をするのが、上手くなる一番の近道ではないでしょうか?

正しい基本が全てにつながっていく

私が檜垣裕志さんを知ったのは、2013年にある雑誌の記事を読んだのがきっかけです。彼の経歴と利き足のポイントを読み、「面白い人がいるな」と思いました。そこで調べてみると、「サッカーテクニック向上メソッド」というDVDを出していたため購入しました。

届いたDVDの練習メニューはシンプルで基本的なものが多く、最初は「退屈だな。こんなこと今更必要ないよ」と思ってしまいました笑(当時は、利き足のポイントの表面的な部分しか見えていませんでした)

しかし、唯一テニスボールのリフティングは面白そうだったので続けていると、あるときボールを持ったときのバランス感覚が改善されていることに気づいたのです。

「もしかしたら利き足のポイントって、ものすごく大切なことかもしれない」とDVDを見直し、檜垣さんのブログで利き足のポイントについて勉強しました。そんなことを繰り返しているうちに、利き足のポイントの奥の深さを感じられるようになりました。

利き足のポイントは、ボールを自分のものにするというサッカーの基本部分の理論です。サッカーの上達には、「正しい基本とは何か?」を理解し、正しい基本技術を身につけていくことが大切です。何事も初めが肝心で、基本部分が間違っていたら、その上に積み上げていく技術は全て間違いになってしまいます。

例えば、プロがやっている練習メニューをやってもプロになれないのと同じ。

プロになるためには、本当に上手くなるためには、「基礎基本」が出来てこそ。

「基礎基本」が身についていない者が、プロの練習メニューや有名クラブチームのメソッドをやったところで、それは、所詮真似事であり、「基礎基本」がない者は「本当には上手くならない(自分の能力を最大限には生かせないし、伸ばせない)」

「檜垣裕志のサッカーブログ 上手くなるために…」より

利き足のポイントは、日本での常識とは異なる理論なので、取り入れるのには勇気がいると思います。しかし、今あなたが伸び悩んでいるのであれば、それは「サッカーの基本」に対する認識が誤っているからかもしれません。

両足重視の考え方で伸び悩んでいる人、正しい基本を身につけ上達していきたい人は、檜垣さんのブログやDVD教材「サッカーテクニック向上メソッド」をチェックしてみてください。

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