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サッカーの上手い人に見る上達するための2つのポイント

サッカーが上手い人のプレーを見ると、余裕があり、ボールを取られる気がしません。試合でも自然とボールが集まってきます。

なぜ、あんなに余裕があるの?どんな練習をすればあんな風になれるの?それが分かれば、上手い人に一歩でも近づくことができるかもしれません。

実は、サッカーが上手い人と一般レベルの人の違いは、「技術プログラムの精度」と「選択の精度」にあります。

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1.技術プログラムの精度

試合中に技術を発揮するときは、ほとんど無意識で行われなければなりません。

例えば、試合でインサイドキックでパスを出すときを思い出してみてください。いちいちフォームを気にしながら蹴ってはいないと思います。
「軸足をここに置いて、股関節から蹴り足を開いて…」などと考えていたら、パスを出すタイミングを逸してしまいます。

なぜ、無意識に技術を発揮することができるのでしょうか?鹿屋体育大学教授の児玉光雄さんは、試合で技術が発揮される仕組みについて、こう述べています。

たとえば、一流のプロテニスプレーヤーは、毎日テニスを練習することで、飛んできたボールに対応する最適なプログラムをつくり、その後は、すでにできあがったプログラムを適宜引き出すのです。

脳は毎回ゼロからプログラムを組んでいるわけではなく、すでにプログラム済みの選択肢のなかから最適なものを選んでいる。これがアフォーダンス理論の考え方です。

上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書) 児玉光雄著」より

これをサッカーに置き換えてみましょう。

インサイドキックを練習すると、軸足の位置、蹴り足の角度、ミートポイントなど、インサイドキックの感覚がプログラム化されて脳内に保存さます。よく「体が覚えている」と言われますが、この状態がそうです。

そして、試合中、脳はすでにできあがったプログラムから、状況に応じて最適な技術を選択します。つまり、試合で技術が発揮されるメカニズムはこうです。

周りを見て、パスを出す相手を決める
  ↓
受け手との距離から、インサイドキックを使うと判断
  ↓
脳内からインサイドキックのプログラムを取り出す
  ↓
インサイドキックでパスを出す

上手い人と下手な人の違いの一つが、この技術プログラムの精度です。技術プログラムの精度が高いと、脳からの伝達が速く、正確なプレーができます。

また、技術プログラムの精度が高いと、周りが見え、余裕を持てるようになります。
なぜなら、技術そのものは無意識に発揮できるので、その分他のことに意識を分散できるからです。

人間が意識を向けられる総量は、その人もほぼ同じです。例えば、トラップの上手いAさんと、トラップの苦手なBさんがいたとします。二人とも意識の総量は100で同じです。

二人のところに速いパスが来ました。

Aさんは、トラップ技術そのものに10の意識を向ければ、ボールをコントロールできます。
残りの90は、周りの状況把握など、他のことに向けることができます。

一方Bさんは、トラップ技術そのものに90の意識を向けないと、ボールをコントロールできません。
周りの状況把握など、他のことに向けられる意識は10しか残っていません。ボールをコントロールすることに精一杯で、周りの状況をほとんど把握できていません。

Aさんの方が余裕を持ってプレーできるのは、一目瞭然ですね。このように技術が高いほど、複数のことを同時進行できるため、余裕を持ってプレーすることができるのです。

技術プログラムの精度を高めるには、反復練習が必要です。
ただし、漠然とボールを蹴っているだけでは、精度は高まりません。一つひとつのボールタッチに高い意識を持って練習することが大切です。

反復練習は地味ですが、コツコツ続けることが大切です。トッププレーヤーの高い技術も反復練習によって支えられています。

例えば、メッシ選手のドリブルシュートも反復練習の賜物です。

トップスピードのドリブルからのシュートを身につけるために、メッシは幼少の頃からマーカーコーンを使い、細かくボールを触ってマーカーを過ぎた瞬間にすぐシュートを打つというトレーニングを行っていた。通常のチームトレーニングの後に、繰り返しこのメニューをしていたそうだ。

サッカー南米流 球際が強くなるスキル ボカ・ジュニアーズ・フィリアル・ジャパン監修」より

世界最高の才能の持ち主であるメッシ選手ですら、反復練習によって技術を磨いています。メッシ選手レベルの才能のない我々は、なおさら反復練習する必要がありますね。高い意識を伴った反復練習は、後々必ず大きな力になるでしょう。

2.選択の精度

試合では、状況に応じて最適なプレーを選択していく必要があります。
前述のように、選択肢は、反復練習で技術プログラムを作ることで増やすことができます。

ただし、上手い選手になるには、もう一つ磨かなければいけない要素があります。それは、選択の精度です。

上手い選手は、技術の高さはもちろん、その使い方も絶妙です。インサイドキックでパスを出すことは初心者でもできますが、上手い選手は、状況に応じて、タイミングやボールの質を変えて、敵にカットされず、味方が受けやすいパスを出すことができます。

試合では、状況に応じて最適な技術を選んでいきます。上手い選手ほど、「いつ、なにを使うか?」という選択の精度が高いのです。

選択の精度を高めるキーポイントとなるのが、経験です。試合中、脳がプログラムを選択をすることで技術が発揮されるというのは、前述のとおりです。
そして、プログラムの選択は、過去の実戦経験と照合して行われています。つまり、実戦経験を積むほど、選択の精度が高くなり、状況判断も速くなるのです。

上手くなるためには、多くの実戦経験を積むことが大切です。
初心者にとって、試合に出るというのは、ハードルが高く感じるかもしれませんが、サッカー・フットサルは、実戦を経験しなければ本当に上手くなることはできません。
実戦経験を積める場には積極的に参加していくことが大切です。

実戦経験を積むと、一人で行う技術練習の精度も上がります。実戦をイメージしながら練習できるからです。
「サッカーは、相手がいない状態で練習しても上手くなれない」と言う人もいますが、何を意識して練習するかによります。
一人で行う練習でも、「この練習が実戦とどうつながるのか?」を自分で感じることができれば、試合に活きる練習になります。

また、試合に出たら、サッカーノートをつけるものおすすめです。
試合で上手くいったプレー、失敗したプレーを絵を添えて書き残しておくと、後で見返したときに、そのときの状況を思い出すことができるからです。

試合中は無我夢中でプレーしているので、初めはノートをつけるといっても何を書いていいのか分からないかもしれません。
しかし、続けていくことで、自分のプレーを客観視できるようになり、書けるようになってきます。続けることが大切です。

今回は、サッカー・フットサルの上手い人が、なぜ余裕を持ってプレーできるのか、について書いてみました。

上手くなるためには、技術プログラムの精度と選択の精度を高めることが大切です。
技術プログラムの精度は反復練習、選択の精度は実戦経験によって高めることができます。
簡単に言ってしまえば、「たくさん練習しましょう」ということです(笑)

ただし、漠然とボールを蹴るだけでは上手くはなれません。
一人での練習では、「この練習が実戦とどうつながるか?」を感じながら練習すること、試合では、経験を積むために積極的にプレーに絡んでいくことが大切です。
貴重な練習時間を少しでも効率よく使えるよう、意識を高く持って練習しましょう。

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