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インフロントキックのコツと練習法

「ロングキックが飛ばない」
「まっすぐのロングキックを蹴りたいのに曲がってしまう」

こんな悩みを持っているサッカープレーヤーは少なくありません。

あなたがキックが蹴れないのは、体格のせいでも、筋力のせいでも、スパイクのせいでもありません。ロングキックに対する理解が不足しているだけです。
ロングキックの仕組みを理解し、正しい蹴り方をすれば、精度が高く、味方が受けやすいキックを誰でも蹴れるようになります。

このページでは、ストレートのインフロントキックの蹴り方と練習法を紹介します。

インフロントキックの蹴り方

長いボールを蹴るときは、主にインフロントキックを使います。次の動画をご覧ください。

これは日本代表GK 林彰洋選手(ピンクのアディダスのスパイク)のゴールキックの練習風景です。

インフロントキックで蹴っています。大して力を入れていないのに遠くに飛ばせているように見えませんか?

実は、インフロントキックは力任せに蹴ってもうまくいきません。ロングキックのコツは3つ。バックスピン、ミートポイント、蹴り足のスイングです。ポイントを正しく理解して練習することが、上達の近道です。

それでは、1つずつ説明していきます。

バックスピン

インフロントキックの一番のポイントが、縦のバックスピンをかけることです。ボールが逆回転することで、ボールの周りに上昇気流が発生し、ボールが浮かび上がるのです。また、上昇気流を発生させながらボールが飛んでいくので、伸びる軌道になります。

ロングキックを蹴るときのコツは、ボールの中心から下部分に向けて叩くように蹴ることです。蹴った後、蹴り足は軸足とクロスするように着地します。このように蹴ることで、バックスピンがかかります。

「ボールの下を蹴り上げる」という人もいますが、これだと完全にパワー頼りの蹴り方になってしまいます。また、ボールに回転がかからないので、ボールの伸びもなく飛距離も出ません。

林選手のキックを見ると、蹴り上げていませんよね?むしろ、上から下に振り下ろしています。

このようにボールが浮き上がる仕組みを理解すると、よりポイントを意識して練習できると思います。

ミートポイント

インフロントキックのミートポイントは、大きく分けて2つあります。

1つは、親指の付け根です。ここは、主に中距離(15~20m)のキックに使います。バックスピンが多くかかり、フワッとしたボールを蹴ることができます。

もう2つのミートポイントは、足の甲です。ここは、長距離(20m以上)のキックに使います。親指の付け根のフワッとしたボールに対し、こちらはライナー性の伸びるボールを蹴ることができます。

冒頭の林選手のキックは、足の甲で蹴っています。

蹴り足のスイング

よく「膝から下を素早くコンパクトに振る」という人がいますが、ロングキックについて言えば間違いです。確かに膝から下のスイングスピードは重要ですが、膝から下を動かしたけでは十分なパワーが出ません。

ロングキックの蹴り足は、股関節から動かします。テコの原理で説明すると、股関節が力点、膝が支点、足が作用点になります。股関節から脚を動かすことで、膝が支点になり、膝から下が速く振り出されるのです。

ムチを振る動作をイメージしてみてください。ムチは柄を起点にして振ることで、先端に力が伝わります。先端部分を持って振っても、大した力は出ません。

膝から下だけを振るのは、ムチの先端部分を持って振っているのと同じです。しっかり柄(股関節)を持って振りましょう。

全身を使って蹴る

キック力=脚力と思いがちですが、脚の力だけでは、ボールを遠くに飛ばすことはできません。ロングキックを蹴るには、上半身の力をプラスすることが大切です。

プロのキックの瞬間の写真を見ると、上半身が弓のように反っています。この動きにより、上半身の力が加わり、ボールを遠くに飛ばすことができるようになります。

ただし、上半身の動きを意識しすぎると、フォームが崩れ、逆効果になってしまいます。ロングキックを蹴るときは、身体はリラックスさせます。意識するのは、踏み込む歩幅を大きくすることです。踏み込みを大きくすれば、自然と上半身の反りを生み出すことができます。

インフロントキックの基本練習

インフロントキックを身につけるには、何本も蹴ることが大切です。ここまで説明したポイントを確認しながら練習していきましょう。ここからは、インフロントキックの練習法を紹介していきます。

まずは短い距離で正しいフォームを身につける

ロングキックを失敗する一番の原因は、遠くに飛ばそうとして力んでしまうことです。力んで蹴ると、ミートポイントがズレたり、フォームが崩れてしまいます。

まずは短い距離(10m程度)で、親指の付け根を使って、リラックスした状態で蹴って練習しましょう。

親指の付け根でミートできているか?ボールにバックスピンがかかっているか?というポイントを確認しながら蹴ることが大切です。

距離を延ばしていく

短い距離で蹴れるようになったら、距離を延ばして練習します。

インフロントキックの飛距離は、蹴り足のスイングスピードに比例します。つまり、スイングが速いほど遠くに飛ばすことができます。

スイングスピードを上げると言っても、全てを速くする必要はありません。インパクトの瞬間に最速になればいいのです。

林選手のキックを見ると、助走からバックスイングまではゆっくりで、インパクトの瞬間だけ速くなっていることが分かります。

距離が延びても、フォームは短い距離のときと同じです。遠くに飛ばそうと力む必要はありません。

素振り

ボールを遠くへ飛ばすには、体全体を使うことが大切だと先述しました。しかし、練習を始めたばかりだと、ミートポイントやボールの軌道に意識が集中し、上半身の動きまで気が回りません。そこで、ボールを使わずに素振りによって、上半身の動きを意識できるようにします。

ボールを蹴る前に素振りでフォームを確認したり、外で練習できないときに室内で行うといいでしょう。

また、スマホのビデオカメラで素振りを自撮りして、フォームを確認するのもおすすめです。自分が思っているよりも上半身が使えていなかったり、バックスイングが小さかったりして、改善点が分かります。

古典的な練習法ですが、ポイントを意識して行えば、効果的な練習になります。

上手い人と対面パス

良いお手本の見ることは、キック上達の特効薬です。良いお手本を見るには、チームメイトでインフロントキックの上手い人と対面パスをするのが一番です。実際にボールを受けることで、どんな軌道のボールがトラップしやすいか?ということも分かります。

対面パスのときに見るのは、相手の蹴るボールの軌道と回転です。上手い人のキックは、正確な軌道で、きれいな回転がかかっています。同じ軌道、回転のボールを蹴れるように、しっかりイメージを蓄えましょう。

試合でロングキックを蹴る3つのコツ

ここまでインフロントキックのコツと練習法をお伝えしてきました。これらのポイントを踏まえて練習すれば、インフロントキックは蹴れるようになります。

ただし、練習で蹴れても、試合で同じように蹴れるとは限りません。試合は敵のプレッシャーがあるので、練習のように余裕を持って蹴ることができないからです。

試合でロングパスを出すには、パスを受ける前の準備とファーストタッチがポイントになります。ここからは、試合でロングパスを出すためのコツを紹介していきます。

ボールを持っていないときに情報収集

試合でロングパスを出すには、パスを受ける前に味方の位置を把握しておくことが大切です。パスを受けてから味方を探していたのでは、蹴るまでに時間がかり、敵のプレッシャーを受けてしまいます。

ロングパスを出すには、ボールを持っていないときに周りを見て、敵・味方の位置、スペースを確認しておきます。ボールを蹴る直前にも味方を見ますが、これはパスが出せるかどうかの確認のためです。周りを見て情報を集めるのは、ボールを持っていないときに行うのが基本です。

インフロントキックに必要なスペースを確保する

試合でロングパスを出すには、パスを受ける場所も重要です。ロングパスはショートパスよりも動作が大きいため、時間とスペースが必要です。ロングキックを蹴るのに必要なスペースを確保してパスを受けましょう。

また、スペースに入るタイミングも重要です。スペースがあっても、そこへ入るタイミングが早過ぎると、マークも付いて来てしまいます。パスを受けるスペースはギリギリまで空けておき、味方がパスを出せるタイミングになったら、そこへ入ることがポイントです。

ファーストタッチでボールと体の準備をする

試合では、ボールを持てば必ず敵のプレッシャーを受けます。パスを受けても、トラップでもたついていたら敵に寄せられて、ロングパスを出せなくなってしまいます。

ポイントとなるのが、ファーストタッチ(トラップ)です。ファーストタッチで、すぐ蹴れる位置にボールをコントロールできれば、トラップからキックまでの時間が短くなります。

「トラップを正確に」と言うと、ボールを止めることだけを意識しがちですが、正確なトラップとは、ただボールを止めるだけではありません。トラップからすぐ次のプレーに移れるように、自分の体もすぐに動ける準備をしておくことが大切です。つまり、ボールと自分の体の両方をコントロールできて初めて「正確なトラップ」になるのです。

どんなボールが来ても、ファーストタッチでロングパスを出せるコントロールを心がけましょう。

最高のファーストタッチを身につける練習法

インフロントキックの実戦的練習法

試合でインフロントキックを使えるようにするには、どんな練習をすればいいのでしょうか?

ここからは、インフロントキックの実戦的練習法を紹介してきます。社会人プレーヤーでも実践しやすいよう、できるだけ1人で練習できるものを紹介します。

壁当て

先述のように、ファーストタッチは、実戦でロングパスを出すポイントの1つです。

トラップからキックの動作を練習するのにおすすめなのが「壁当て」です。その名の通り壁に向かってボールを蹴り、跳ね返ってきたボールをコントロールしてキックする練習です。対面パスは2人いないとできませんが、壁当ては1人でできます。

壁当てで意識するポイントは、トラップです。ファーストタッチで、すぐ蹴れる位置にコントロールすることを意識して練習しましょう。

また、どこにボールを置けば蹴りやすいかを見つける練習にもなります。試合では3歩も4歩も助走を取る余裕はないので、ワンステップで蹴れる位置を見つけ、ファーストタッチでそこへコントロールできるように練習しましょう。

元日本代表MFの中村憲剛選手は、子供の頃、壁当てを繰り返して、自分の最適なボールの置き場所を見つけたそうです。単純な練習ですが、意識を高く持って行うことで、効果的な練習になります。

試合の場面をイメージして練習する

試合でインフロントキックを使う場面は、ポジションによって異なります。例えば、センターバックならロングフィード、ボランチならサイドチェンジ、サイドプレーヤーならセンタリングなどですね。

1人もしくは少人数で練習するときも、試合の場面をイメージしながら行うと効果的です。

大学サッカー部時代、サイドハーフだった私は、ボランチのチームメイトとサイドチェンジの練習をよく行いました。チームメイトがボランチの位置からサイドチェンジのボールを出し、左サイドの私が走りこんでパスを受ける練習です。

このように試合の場面に近い形にすることで、ただの対面パスよりも、試合をイメージしやすくなります。実際の試合でも、この形でゴールに結びついたこともあります。

1人でインフロントキックの練習するときも、トラップの仕方、蹴る角度、蹴る距離などを試合の形に近づけて行うことで、より実戦的な練習になります。

実戦をこなす

実戦で技術を発揮するには、実戦をこなすことが一番です。インフロントキックを身につけるには、キックに特化した練習も必要ですが、同時に試合や実戦練習もこなしていきましょう。

しっかりしたコーチがいるチームなら、ピッチを横長にしたミニゲームで、サイドチェンジを頻繁に使う設定にするなどの工夫をしてくれますが、一般的な社会人チームで、そういったところは稀です。現実的には、ミニゲームなどの実戦練習で意識的にロングパスを多くする、という方法になるでしょう。

とはいっても、意味なくロングパスを多用しても仕方ありません。チームメイトの顰蹙(ひんしゅく)を買うことにもなりかねないので、効果的なロングパスを出す必要があります。

このように、ロングパスを意識して実戦練習を行うことで、「効果的なロングパスを出すには、どうしたらいいか?」を考えるきっかけにもなります。

また、練習後にロングパスを使った場面の振り返りも大切です。サッカーノートを書いている人は、ノートを使って振り返りを行いましょう。実戦を通して自分の課題を見出し、今後の練習に役立てていくことが大切です。

インフロントキックの練習におすすめのDVD

今回解説したインフロントキックは、檜垣裕志さんの「サッカーテクニック向上メソッド」にも収録されています。

インフロントキックのフォーム、蹴り方、ミートポイントといったキックの基本が、実演をまじえて解説されています。

檜垣裕志さんのインフロントキック

サッカーテクニック向上メソッドで解説されているのは、本記事の前半で解説したようなインフロントキックの蹴り方についてです。「インフロントキックが蹴れないので、基本から丁寧に教えて欲しい」という人におすすめです。

特に、ボレーキックのフォームとインフロントキックのフォームのつながりに着目している点は、このDVDならではの教え方です。この感覚をつかめるとインフロントキックが一気に上達すると思います。(下の動画の1分03秒から一部が見られます)

キックの他にも、ボールの持ち方、利き足のボールコントロールなど、檜垣さんの提唱する「利き足のポイント」を学び、身につけることができるDVD教材です。

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