最高のファーストタッチを身につける練習法
サッカーではファーストタッチが重要と言われています。
ファーストタッチというと、ボールをコントロールすることだけに注力しがちですが、それだけでは正確なファーストタッチとは言えません。
ボールをコントロールすると同時に、自分の体もすぐに動ける準備が整っている必要があるからです。
つまり、正確なファーストタッチには、ボールと自分の体を同時にコントロールする必要があるのです。
最高のボールの持ち方
試合でも練習でもいいのですが、あなたは「相手と対峙しても全く慌てない」、「ボールを取られる気がしない」という経験をしたことはありませんか?
そのときのボールの持ち方が、あなたにとって最高のボールの持ち方です。
では、そのときは、どんな風にボールを持っていたか覚えていますか?
ボールの置き場所など、細かい部分は人によって異なりますが、大まかな感覚としては、おそらく利き足の前にボールがあり、いつでもどの方向にでも動ける状態だったのではないでしょうか。
「覚えていない」という人は、次にこういった経験したときに、その状態を覚えておくようにしましょう。
得意なボールの持ち方は人によって異なるため、自分で見つけていくしかありません。
成功体験を覚えておき、それを再現できるように練習することで、自分なりのボールの持ち方が確立します。
自分なりのボールの持ち方が確立したら、その状態をファーストタッチで作り出せるように練習していきます。
最高のファーストタッチを身につける練習法
プロサッカーコーチの檜垣裕志さんは、ファーストタッチで利き足の前にボールを置き、何でもできる状態を作り出す「利き足のポイント」という理論を提唱しています。
檜垣さんのDVD教材「サッカーテクニック向上メソッド」では、利き足の技術向上のための練習として、テニスボールを使ったリフティングを行います。

リフティングの中に実は上手くなる要素がたくさん詰まっている。(サッカーテクニック向上メソッドより)
なぜサッカーボールではなくテニスボールを使うのか?
テニスボールでリフティングをしていると、ボールタッチと身体感覚がサッカーボールのときよりも研ぎ澄まされた状態になります。
足のどの部分にボールを当てるのか、ボールにどういった回転をかけてコントロールするのか、バランスを保つために体をどうコントロールするのか、といったことに敏感になります。
これにより、サッカーボールのリフティングよりも、精度の高い技術、身体感覚を身につけることができるのです。
練習のポイントは、「常に利き足で行う」、「落とさない」
リフティングを安定して続けるには、ボールと自分の体の位置関係が大切です。
ボールが体から近過ぎても、遠過ぎても、良いボールコントロールはできません。
ボールと体の位置関係を最適に保つことが、リフティングを続けるためのポイントです。
しかし、リフティングを続けている間、すべてパーフェクトなボールタッチができるわけではありません。
思ったようなボールタッチができず、ボールがズレてしまうこともあります。
ボールがズレて逆足側に行ってしまったとき、あなたならどうしますか?
通常であれば、逆足でボールをキャッチすると思いますが、檜垣流リフティングでは、利き足でボールをキャッチします。
そして、軸足でステップを踏み、すぐにボールと体の位置関係を一番いい状態に戻せるように調整します。
利き足のポイントでは、いつでも利き足の前にボールを置き、利き足で仕掛けます。
ボールがどこに行っても利き足でキャッチすることで、常に利き足の前にボールを置くことができます。
そして、すぐにボールと体の位置関係を調整することで、ボールと体のコントロールを同時に行う練習になるのです。
「落とさない」というのも、同じ理由からです。
ボールがズレても簡単にあきらめず、何とかリカバリーしようとすることで、ボールと体のコントロールの練習になります。
リフティングというシンプルな練習ですが、檜垣さんのリフティングは非常に奥が深く、ボールを失わないスキルを身につけるための要素が凝縮されています。
忘れてはいけないのは、「リフティングのためのリフティング練習」ではなく、「サッカーのためのリフティング」をすることです。
この練習の主旨を本当に理解し、継続していけば、本当に上手くなれると思います。
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