サッカートータル育成メニューのレビュー
今回は、JSC CHIBA代表の川島和彦さんが書いた「サッカートータル育成メニュー」をレビューをします。

JSC CHIBAは、ドリブル指導に定評のあるクラブチームで、Jリーガーも多数輩出しています。
川島さんのDVD教材「わんぱくドリブル軍団JSC CHIBAの最強ドリブル塾」は、当サイトのおすすめ教材としてレビューしていますが、川島さんは著書も多数出しています。
練習メニューや練習の様子はDVDで見ることができますが、書籍は川島さんの考え方を知るために読んでいます。考え方を知ることで、DVDの練習メニューの理解が深まるからです。
サッカートータル育成メニューの概要
サッカートータル育成メニューは、48の練習メニューが紹介されているノウハウ本です。
練習メニューは、個人の突破、ボールキープ、グループの突破、ディフェンス、ゲームトレーニングのカテゴリーに分かれています。オフェンスとディフェンス、個人とグループの総合的なスキルを身につける内容となっています。
- 個人の突破力を身に付ける 12メニュー
- ボールをキープするドリブルの習得 9メニュー
- グループ、チームでの突破力、キープ力を上げる 9メニュー
- 相手のボールを奪い取る 6メニュー
- 自由に攻撃させないディフェンスを学ぶ 4メニュー
- ゲームで力を発揮するためのスキルを磨く 8メニュー
これまでの川島さんの書籍は、個人練習が中心のものが多かったのですが、この本は対人練習が中心で、対人スキルや判断力を身につける練習メニューが中心となっているのが特徴です。
サッカートータル育成メニューの感想
サッカートータル育成メニューの中で、私が印象に残った部分をレビューします。
勝者のメンタリティー
本書のベースとなっているのが「勝者のメンタリティー」です。
勝者のメンタリティーというと、「気持ちで負けない」「球際で負けない」など、精神力的なものを思い浮かべそうですが、川島さんの解釈は全く違います。
この本で言う勝者のメンタリティーとは、いわゆる「マリーシア」です。マリーシアは、よく「ずる賢さ」と訳されますが、根本的には「ゲームに勝つための思考力」です。

訳し方によって、言葉の印象がだいぶ変わりますね。
川島さんは、「相手の心理状態を考えてゲームを行うこと」だと言っています。
たとえば、格上との試合で、DFを多くしてゴール前を固めるとします。敵はなかなか点が入らずに焦ってきます。焦ると攻撃が単調になるためパスカットしやすくなります。
また、単純なミスを起こすようになり、そこを突けるようになります。たとえば、バックパスのミスパスをカットできる、とかですね。
バックパスをカットし、キーパーと1対1を決める。それが決勝点となって格下が勝つことって結構あったりします。1996年のアトランタ五輪で日本がブラジルに勝った「マイアミの奇跡」は、まさにそんな試合でした。
サッカーは、強いチームが必ずしも勝つわけではありません。守りながら、「今相手がどんな心理状態なのか?」を考えながらゲームをすることで、格上相手でも勝つことができるのです。
ただし、守備の枚数を多くしただけでは、格上相手に守り切ることはできません。そこには「守備の技術や戦術をきちんと身につけている」という大前提があります。
で、「その技術や戦術を身につけるためには、こんな練習メニューがあるよ」と紹介されている、という訳です。
勝つための技術や戦術を身につける
試合では、ボールを持つと必ず敵のプレッシャーを受けます。それで技術を発揮できないようなら、それはサッカーの技術ではありません。ただのパフォーマンスです。プレッシャー下で技術を発揮するには、やはり対人練習が必要です。
サッカートータル育成メニューに載っている練習は、ほとんどが対人練習です。
たとえば、2対1のパス練習では、ドリブルでDFを外してパスする練習や、スイッチでDFを騙す練習など、敵との駆け引きが盛り込まれています。
他にも、横から敵のプレッシャーを受けるトラップ練習や、敵をブロックしながら行うシュート練習など、実戦を想定した内容になっています。

敵との駆け引きの指導は、川島さんの得意とするところです。
相手の心理状態を考えながらプレーすることが大事と言いましたが、そのためには心の余裕が必要です。余裕は、技術から生まれます。
プレッシャーにあたふたしていては、相手のことを考えることなんてできません。落ち着いてプレーできる技術があるからこそ、考える余裕が生まれます。だから、まずはしっかりした技術を身につけることが大事です。
個人から少人数のグループ戦術までをカバー
サッカートータル育成メニューは、オフェンス面では、個人技で崩す練習から、2〜3人のコンビネーションで崩す練習が紹介されています。
ディフェンス面では、個人の守備から、2〜3人で守る練習が紹介されています。
サッカーは11対11で行いますが、いきなり全体を意識しながらプレーすることは難しいです。まず個人の技術・戦術、そして少人数のグループ戦術を身につけることが、全体像を把握する近道になります。
2〜3人のグループ戦術は、サッカーをプレーする上で、最低限身につけておかなければならない基本事項です。グループ戦術を理解し、実戦で使えるようになると、プレーの幅が一気に広がり、サッカーがもっと楽しくなります。

「戦術」と聞くと難しいイメージがあるかもしれませんが、使えるようになると、本当にプレーが楽になります。
個人練習がメインの人は参考にならないのか?
サッカートータル育成メニューは、対人練習がメインです。少年サッカーや部活サッカーのプレーヤーもしくは、指導者にはすぐ実践できる内容です。
しかし、社会人プレーヤーは、頻繁に対人練習ができるわけではありません。対人練習は週1〜2回程度で、あとは個人の自主練という人が多いと思います。こういう人には参考にならないのか、というと、そうではありません。むしろ、対人練習があまりできない人にこそ読んでもらいたいと思っています。
社会人プレーヤーにとって、対人練習は貴重な機会です。だから、対人練習を行うときは、最大限の効果が出るようにしたいです。そのために、この本を活用します。
あなたは、対人練習を行うとき、練習の目的を意識していますか?練習メニューには、それぞれ目的があります。その目的を意識して行うことで、練習の効果が高くなります。
社会人プレーヤーが対人練習をするとき、練習の目的が説明されることは、ほとんどないと思います。だから、何となく練習メニューをこなすだけになってしまいます。これでは、練習効果は低いままです。
サッカートータル育成メニューは、48種類の練習メニューの目的が解説されています。あなたのチームの練習で、本書とまったく同じ練習を行うことはないと思いますが、似たような練習メニューを行うかもしれません。
そういうときに、本書で練習の目的を勉強しておけば、練習の質を高めることができます。社会人プレーヤーは、本書に限らず対人練習系のノウハウ本に関しては、こういう使い方をするのがおすすめです。
川島和彦さんってどんな人?
川島和彦さんは、千葉県のJSC CHIBAというクラブチームの代表で、指導歴36年のベテラン指導者です。
本の出版やサッカー雑誌の取材は多数、中国で指導したり、餃子屋さんを始めて指導後に餃子の仕込みをするなど、超活動的でちょっと変わった人です。
川島さんは、中学、高校ともサッカー部に所属せず、高校時代は同好会を作って活動していました。元Jリーガーなど輝かしい経歴の指導者が多くなっている中、異色の経歴の持ち主です。
それにも関わらず、JSC CHIBAの卒業生は、サッカー強豪校へ進み、Jリーガーになる選手もおり、指導者としては、優れた手腕を発揮しています。
川島さんの得意分野はドリブル指導です。本書も「トータル育成メニュー」と名がついていますが、ドリブルが中心の練習メニューが多くなっています。
別で発売されているDVD教材では、川島さん自身のデモンストレーションが見られるのですが、そんなに上手い感じはしません(笑)
それでも、指導者として結果を残している要因は、練習メニューの組み方や、コーチングのうまさにあると思います。DVD教材では、川島さんのコーチングの様子も見ることができるので、興味のある人は、ご覧になってみてください。
JSC CHIBAの最強ドリブル塾
「自主練習をやっているけど、本当に上手くなっているのか分からない」
「ドリブルが上手くなるには、どんなことを意識して練習すればいいのか分からない」
「ドリブル練習は、1人でやっても意味がないんじゃないの?」
そんな悩みを抱えている人におすすめなのが、わんぱくドリブル軍団 JSC CHIBAの最強ドリブル塾です。
最強ドリブル塾は、1人でできるドリルから対人練習まで、ドリブル上達に必要な練習が総合的に紹介されたドリブル専門のDVD教材です。
このDVDのメリットは、ドリブルの練習メニューが学べるだけではありません。JSC CHIBAの練習の様子が収録されているので、川島和彦さんのコーチングや練習の組み方も学ぶことができます。
少年サッカーチームの練習ですが、大人がやっても十分効果はあります。ベテラン指導者の実証済みの練習方法を取り入れることで、いつもの練習がブラッシュアップされます。
社会人プレーヤーの場合、自主練で対人練習を行うのは難しいかもしれませんが、対人練習の映像を見ることで、イメージトレーニングにもなります。
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まとめ
サッカートータル育成メニューをレビューしました。最後にまとめておきます。
- サッカートータル育成メニューは、個人・グループ、オフェンス・ディフェンスの48種類の練習メニューが紹介されている
- 「勝者のメンタリティー」とは、敵の心理を考えながらプレーすること
- 勝者のメンタリティーを実践するには心の余裕が必要。余裕は技術から生まれる
- 2~3人のグループ戦術を学ぶことで、サッカーの理解が深まり、プレーの幅が広がる
- 対人練習の機会が少ない社会人プレーヤーでも、本書で対人練習の目的を学ぶことで、貴重な対人練習を効果的なものにできる
- 著者の川島和彦さんは非エリートだが、練習の組み方や、コーチングのうまさで指導者としての手腕を発揮している
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