前園流ドリブルマスタープログラムのレビュー
どーなレビュー管理人の どーな です。
現役時代、日本屈指のドリブラーとして名を馳せた前園真聖さんの教材「前園流ドリブルマスタープログラム」についてレビューしておきます。
前園流ドリブルマスタープログラム
ジャンル:ドリブル
総合評価:(イマイチ教材)
公式サイトはこちら
教材概要
前園流ドリブルマスタープログラムは、基礎編から応用編までのDVD4枚セットの教材です。
- ディスク1:ドリブルの使い方、ドリブルの基本
- ディスク2:ドリブルにつなげるとラップ、トリブルからのパス・シュート
- ディスク3:フェイント、ボールキープ
- ボーナスディスク:インタビュー、自宅でできる練習法、ストレッチ、状況判断を養うイメトレ映像
前園さんはプレーの実演のみを行い、ポイント解説はナレーターが行う構成になっています。
また、各ディスクの最後に、そのディスクの内容を身につけるための練習メニューが紹介されています。
以上が教材概要です。それでは教材本編について詳しくレビューしていきます。
ディスク1:ドリブル基礎講座
ドリブルの効果的な使い方と基本技術について解説しています。
ドリブルの効果的な使い方
試合では、ドリブルしたいからするのではありません。
戦略的にドリブルを使うため、ドリブルすることでどんな効果があるのかを解説しています。
ドリブルの基本技術
ドリブルのボールタッチについて解説した初心者向けの内容です。
直進ドリブルのボールタッチの仕方、インフロントとアウトフロント使った方向転換の仕方、ボールを奪われない止まり方について解説されています。
ディスク2:ドリブル応用講座
ドリブルにつながるトラップ、ドリブルからのパス・シュートといったドリブル前後のプレーについて解説しています。
トラップ
すぐにドリブルに移行できるよう、ボールコントロールのポイント、体の重心移動について解説されています。
ボールコントロールの部分に焦点を当てているため、パスを受ける前のオフザボールの動きなどについては触れられていません。
パス
ドリブルからインサイドキックでのパス、ドリブルでDFを引きつけてスルーパスなど、状況別に6つのケースが紹介されています。
シュート
GKとの1対1、エリア外からのシュートなど、状況別に6つのケースが紹介されています。
ディスク3:実践的ドリブルテクニック講座
対人のドリブルスキルについて解説されています。
DFの抜き方
緩急を使った抜き方、およびボディフェイクやシザースといった5種類のフェイントが紹介されています。
複雑なフェイントではなく、試合で使いやすいオーソドックスなフェイントが中心です。
ボールキープ
DFを背負ったとき、DFと対峙しているとき、DFをブロックしながらドリブルするときなど、状況に応じたボールキープの仕方が解説されています。
危険なドリブラーになるための考え方
試合では同じ相手と何度もマッチアップすることが多いため、2度目以降に精神的優位に立つためのDFとの駆け引きについて解説されています。
ボーナスディスク:更なるドリブル上達の極みへ
インタビュー
前園さんの少年時代の練習法、上達するためのサッカー観戦法、少年サッカーの指導法についてのインタビュー映像です。
前園流肉体トレーニング術
怪我をしないためのストレッチが16種類紹介されています。
自宅でできる練習法
狭いスペースでもできるボールタッチ練習法が14種類紹介されています。
マル秘イメージトレーニング
状況判断力を養うイメージトレーニング映像です。
ボールホルダー視点の映像が1秒間流され、その後にどんな判断をするかを考えていきます。
全30種類で、その内20種類は前園さんの回答付き、10種類は自分で考えるものになっています。
前園流ドリブルマスタープログラムをどーな基準で辛口チェック
- 価格と内容のバランスはとれているか?
収録されている知識、技術、練習法は、どれも一般書籍レベルです。
唯一面白いなと感じたのは、ボールホルダー視点の映像から状況判断をするイメージトレーニングです。
試合では、ボールを持っていない時にも情報収集をしているので、試合中の状況判断とは少し異なりますが、瞬時にアイディアを出す練習にはなると思います。その他の情報は、1,500円程度の一般書籍で得られるレベルのものなので、わざわざ10倍以上のお金を出して購入する価値は感じられませんでした。
- 誰でも実践できる内容か?
収録されている練習メニューは、1人~2人で行えるものばかりなので、自主練にも活用できます。
ただし、練習で一番大切なのは「何を意識して行うか?」です。
いくらプロと同じ練習をしても、意識すべきポイントが間違っていれば、効果は大幅に落ちてしまいます。このため優良なDVD教材は、練習メニューを紹介するだけでなく、練習のポイントを詳しく解説しています。
ところが、この教材では、練習のポイントを字幕でサラッと説明しているだけです。これでは、よほどストイックに自分自身を追い込める人でなければ、効果は期待できないと思います。
- ホームページ上でおかしな誇大表現をしていないか?
色々とツッコミたくなるポイントがあります。
<ツッコミポイントその1>
冒頭の動画で前園さん自身が
“ドリブルが上達するには、見て、真似る。それが大切です。”
と言っています。
ところが、本文の「前園選手からのコメント」では、
“マラドーナのプレーをビデオが擦り切れるほどみたり・・
ドリブルが上手い選手のプレーをひたすら真似したり・・上記の方法が間違いだとは言いませんが、今思えばドリブル上達においてずいぶんと遠回りをしてしまったと感じます。”
とあります。どちらが本当なのでしょうか?
<ツッコミポイントその2>
“今・・・僕自身が身につけた<経験>や<テクニック>を幼少時代の自分に伝える事が出来れば
「もっと“最短距離”でドリブルが上達し、更に上のレベルのサッカー選手になっていた!」
と自信をもって言えます。
だからこそ、自分の経験を伝えたいと思いました。”教材本編でプレーの解説をしているのは、前園さん自身ではなく、ナレーターです。
前園さん自身の言葉で伝えなければ、本当に大切な部分は伝わってこないと思います。<ツッコミポイントその3>
DVDの内容を紹介している部分の「ボーナス特典その1 前園選手の本音インタビュー」で、
“現役時代決して語ることのできなかった裏話から本音まで余すことなく喋り尽くしています。”
とありますが、収録されているインタビューは4分弱しかありません。
たった4分弱で喋り尽くせるものなのでしょうか?“現役時代決して語ることのできなかった”とありますが、現役時代の前園さんの著書「ドリブル」ではもっと詳しく書かれています。
総合評価(2.0/5段階評価)
教材の内容が一般書籍レベルなので、おすすめはできません。
一般書籍レベルとする一番の理由は、前園さん自身の言葉で解説がされていないからです。
この情報過多の時代に真新しい情報が出てくることはめったにありませんが、同じ情報でも講師の知識、経験が加わることで、価値のある情報になります。
例えば、ボディフェイントのやり方は、一般書籍にも書いてありますし、ネット上でも見つけることができます。
しかし、現役時代ボディフェイントの得意だった前園さんであれば、何か人と違ったコツを持っていたはずです。
そういったコツを知ることができるからこそ、わざわざ前園さんから教わる価値があるのです。
しかし、前園流ドリブルマスタープログラムには、それがありません。
前園さんはプレーの実演をしているだけで、解説はナレーターが行っています。
(練習メニューの紹介については、字幕のみで済ませています)
プロのナレーターは、しゃべりは上手いですが、やはり本人の言葉とは重みが違います。
当サイトでは、ドリブル教材に最強ドリブル塾、サッカーテクニック向上メソッドをおすすめしています。
この2つの教材は、どちらも講師自身の言葉で解説しています。
本人がしゃべると、本当に重要な部分は自然と強い口調になったり、同じフレーズが何度も出てきたりします。
ナレーターのきれいにまとめられた言葉では伝わってこない熱みたいなものがあります。
だから、本当に大事なポイントが理解できるのです。
前園さんのプレーを参考にしたいのなら、わざわざこの教材を購入するよりも、YouTubeで前園さんのプレー集を見た方が、ずっと効果があると思います。
レビューのまとめ
前園流ドリブルマスタープログラムは、DVDだけでは本質を理解するのが難しいため、活用するには、前園さんのサッカースクールなどで直接指導を受けた上で視聴するなどの工夫が必要となる。
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